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【最新教育コラム 第3号(2015年4月30日)】

全国の公立中高一貫校(中等教育学校および併設型)のうち,09年の4月に開校し,今年初めて中高一貫生が大学入試に挑戦する学校は,以下の8校です。
 岩手県立一関第一高等学校附属中学校・一関第一高等学校
 仙台市立仙台青陵中等教育学校
 伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校
 神奈川県立平塚中等教育学校
 神奈川県立相模原中等教育学校
 新潟市立高志中等教育学校
 熊本県立宇土中学校・宇土高等学校
 熊本県立八代中学校・宇土高等学校
また,それ以前に開校していた学校は,全国に79校あります。(すでに募集を停止している香川県立高瀬のぞみが丘中学校は除く。)
今年も,雑誌などに発表される大学合格実績のリストに,かなり多くの公立中高一貫校の名前が出てきていました。
今回初の卒業生を出した8校の中で,特に注目が集まったのは,神奈川県立の2校でしょう。しかも2校とも中等教育学校であり,6年間丸抱えで育て上げた卒業生ですから,その実績には大きな関心が寄せられました。
神奈川県立相模原中等教育学校は県立相模大野高校を,神奈川県立平塚中等教育学校は県立大原高校を母体として,2009年に同時開校しました。昨年の母体校の大学進学実績と比較してみましょう。
昨年の県立相模大野高校の実績は,東大・京大はゼロ,旧帝大では北大・東北大が各1名で,国立大学では横浜国大が4,首都大学東京が3,東京外大が2といったあたりが主要なところでした。私立大では,早稲田4,慶應1,上智2,東京理科大8で,いわゆるMARCH5校にはすべて11~20人となっていました。今年の神奈川県立相模原中等教育学校は,いきなり東大4,京大3のダブル複数合格を叩き出し,東北大2,九州大1のほか,昨年は合格のなかった東工大に7,一橋大に4,筑波大に1など,難関国立大学にも合格を果たしています。地元の横浜国大は10名と2桁の大台に乗せました。私立大の実績の躍進はさらに目を見張るべきもので,早稲田44,慶應16,上智19と,前年からおよそ10倍に急増しています。卒業生152人の規模の公立の学校としては,これは相当な実績です。そのほか,東京理科大21,明治大47,中央大27,法政大43など,大躍進と言っても過言ではないでしょう。じつは相模原中等には,比較的近くに進学校として知られる県立相模原高校があり,これまで,前身の相模大野高校は相模原高校からは二歩も三歩も遅れをとっていた印象でしたが,今年,相模原高校の進学実績が私立大学を中心にかなり向上しているにもかかわらず,相模原中等は今回,ほぼ追いつき,すくなくとも国立大学に関しては完全に逆転した印象すらあります。こうなると,相模原高校も再逆転に向けて目の色を変えざるを得ないでしょうし,それが地域の学校教育にとって健全な刺激となるのであれば,大いに歓迎したいところです。
また,昨年の県立大原高校の実績は,主要国立大学では横浜国大が1名あるだけで,私立も早慶上智の合格者はゼロ,東京理科大に1,明治・青学に各3,法政に2といったところでした。日東駒専の4校も合計12名に過ぎませんでした。昨年までの大原高校には,地域の人たちにも,進学校という印象はなかったでしょう。ところが,今年の神奈川県立平塚中等教育学校は東大に1名の合格を出したほか,東北大2,東工大2,一橋大1,筑波大3,千葉大1など国公立大に多くの合格者を出しています。中でも横浜国大は7,首都大学東京は9に増加しています。私立大でも,早稲田になんと25,慶應に8,上智に3,東京理科大に至っては22と合格数を跳ね上げています。MARCH5校の合計では134ですから,これはもう名実ともに完全に別の学校になってしまったと見るのが妥当でしょう。平塚中等には,これまた近くに,というよりも通りを挟んだ斜向かいといった格好で,こちらも進学校として知られる県立平塚江南高校があり,その進学実績はこれまで,大原高校とは比べ物にならなかったのですが,卒業生数が倍以上あることを計算に入れると(平塚中等147名,平塚江南310名),今年の平塚中等の合格実績はもう「かなり追いついてきた」と言えるようなところに来ています。平塚江南にとっても,なかなか安閑とはしていられない状況になったということですね。

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